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2007年02月03日(土) 03時03分

東京大気汚染訴訟、トヨタが解決金支払いも検討読売新聞

 自動車の排ガスで健康被害を受けたとして、東京都内のぜんそく患者らが国や都、自動車メーカー7社などに損害賠償を求めた東京大気汚染訴訟の控訴審で、トヨタ自動車が2日、「解決金」の支払いについて和解協議の中で検討していく意向があると原告側に伝えたことが、関係者の話で分かった。

 この日、国が和解協議に応じる方針を打ち出したが、金銭補償に否定的だったメーカー7社のうち最大手のトヨタが歩み寄りの姿勢を示したことで、和解に向けた協議は大きく前進しそうだ。

 これまでメーカー7社は、都が提案した医療費助成制度への資金拠出については前向きに協議を続けてきた。しかし、1審判決でメーカー側の法的責任が否定されたことから、「謝罪や損害賠償には応じられない」とし、解決金の支払いには消極姿勢を貫いていた。

 これに対し、原告側は和解の条件として、〈1〉新しい医療費助成制度の創設〈2〉大気汚染を減らす公害防止対策の実施——に加え、損害賠償に当たる金銭の支払いを要求。特にメーカーには、謝罪と金銭補償を求めており、今月1日から同社東京本社前に原告ら50人以上が座り込んで、交渉に応じるよう求めていた。

 関係者によると、トヨタ側は2日、原告側との交渉に応じ、担当者が「我々も一時金を支払わずに解決できるとは思っていない」などと、解決金の支払いも視野に入れて協議を行う意向を示したという。ただ、金額など具体的な条件については提示されなかった。

 解決金の問題について、トヨタ自動車広報部は、「都が提案している医療費助成制度については協議に応じる用意があると裁判所に伝えてあるが、それ以外の個別の内容についてのコメントは差し控えたい」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070203i301.htm