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2007年02月02日(金) 00時16分

イレッサ、延命効果示せず 販売元が臨床検査結果報告朝日新聞

 副作用死を多く出した肺がん用の抗がん剤イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の輸入販売元のアストラゼネカ社(大阪市)は1日、別の抗がん剤タキソテール(一般名ドセタキセル)と比べ、イレッサの延命効果がすぐれているとはいえない、との調査結果を厚生労働省に報告した。同省は「タキソテールに優先してイレッサを使う根拠は一般的にはない」と同社から医薬関係者に情報提供するように求めた。

 イレッサの02年の承認時に、有効性と安全性を確かめる市販後の臨床試験が義務づけられていた。このため03年9月〜06年1月、全国50施設の肺がん患者490人を対象に調査が行われた。

 イレッサとタキソテールを使ったそれぞれのグループを比べると、治療開始後1年の生存率はタキソテールが54%で、イレッサは48%だった。

 イレッサについては「喫煙歴のない東洋人の女性で腺がんの患者には特に効果が高い」との報告もあり、同省は今後、患者の性や治療歴などによる効果の差について、詳しい調査を求める。

 間質性肺炎などイレッサの副作用報告は06年9月までに1708件あり、うち676人が亡くなっている。

http://www.asahi.com/life/update/0201/016.html