記事登録
2007年02月02日(金) 00時00分

朝日写真記者が盗用 読売のネット版記事から 記事の盗用問題で会見する武内健二東京本社編集局長(左から2人目)ら=1日、東京都中央区の朝日新聞東京本社で 東京新聞

 朝日新聞社は一日、同紙一月三十日夕刊の写真スケッチ記事「寒風になびく もちすだれ」が、同月二十七日掲載の読売新聞社インターネット版記事を盗用したものだった、と発表した。朝日新聞社の三浦昭彦・上席役員待遇編集担当が同日、東京本社で記者会見し、「ジャーナリストにあるまじき行為。読者の信頼を大きく裏切り、誠に申し訳ない」と陳謝した。

 朝日新聞の説明によると、盗用したのは同社新潟総局に駐在する東京本社編集局写真センター所属の丹羽敏通カメラマン(46)。二〇〇〇年のシドニー五輪の女子マラソンで、一位でゴールする高橋尚子選手を撮影したほか、サッカーワールドカップの取材にも派遣されるなど経験豊富だった。

 丹羽カメラマンは先月二十九日に富山県立山町で、特産の「かんもち」を作る様子を取材。同日夜、移動先の長野総局で原稿を書いた際、読売新聞のネット版記事「寒風で育つ『かんもち』」を読み、大半を盗用した。

 社内調査に対し丹羽カメラマンは、「自分が書いた原稿より優れていると思い、盗用して書き直した。時間に迫られていたわけではなく、なぜやってしまったのか分からない」と話したという。

 一月末にネットニュースサイトから問い合わせを受け、社内調査の結果発覚した。同社は昨年十二月、盗用の絶対禁止などを定めた「朝日新聞記者行動基準」を公表したばかりだった。

 朝日新聞は今後、関係者を処分するとともに、ほかに丹羽カメラマンが書いた約十本の記事についても調査を行う。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070202/mng_____sya_____018.shtml