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2007年02月02日(金) 00時00分

イレッサ 高い効果確認できず 肺がん治療薬 東京新聞

 厚生労働省薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会が一日夜開かれ、副作用死が相次いだ肺がん治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)について、市販後調査の結果、既存の薬より高い効果を確認できず「積極的に選択する根拠はないと考えられる」との検討結果をまとめた。

 イレッサは市販後調査の中で他の抗がん剤と比較する臨床試験を行うことが承認条件となっており、二〇〇三年九月から国内の五十施設で四百九十人を対象に行われた。

 抗がん剤タキソテール(一般名ドセタキセル)の投与群とイレッサ投与群とに分け比較。投与当初は生存率がタキソテールより劣り、投与開始一年半程度でイレッサの方が上回ったが、優れているとまではいえなかった。また副作用による死亡例はタキソテールはなかったが、イレッサは三件あった。これは、最新の添付文書に記載された頻度と同程度だった。

 調査会は「イレッサの有用性を評価するには詳細な解析を行い、検討する必要がある」としており、厚労省は臨床試験の結果をさらに詳しく検討する方針。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070202/mng_____sya_____013.shtml