金融相、調査委報告を評価
山本金融相は2日の閣議後記者会見で、日興コーディアルグループの不正会計に関する特別調査委員会報告について、「(旧経営陣による組織的関与などを)包み隠さず開示した。過去への決別の第一歩ができた」と評価した。一方、「旧経営陣では、この種の事実開示はなかった」と、不正の発覚を受け辞任した金子昌資・前会長—有村純一・前社長時代の経営体制を批判した。
同グループの不正な決算を承認した旧中央青山監査法人(現みすず監査法人)の責任問題については、「機能が十分でなかったことによる結果と言えるが、監査法人の釈明も聞いてからでないと明確なことは言えない」と述べるにとどまった。
さらに、「親会社も監督対象になるという議論は、当然視野に入ってくる」と述べた。日興コーディアルのように、持ち株会社が傘下に証券会社を抱える場合、現行の証券取引法は、証券会社に限り金融庁の監督対象としている。
今後、持ち株会社へも監督権限が及ぶ方向で法改正を検討する意向とみられる。