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2007年02月02日(金) 16時39分

成田のアパグループのマンション、耐震偽装 千葉県発表 朝日新聞

 富山市の建築士がアパグループの京都市内の2ホテルで耐震強度を偽装し、強度が不足していたとされる問題に絡み、千葉県は2日、同じ建築士が構造計算を担当した同グループのマンション「アパガーデンパレス成田」(成田市)でも、5棟のうち1棟の耐震強度が不足していると正式に発表した。1を基準とする強度が最弱部分で0.74しかないと判定した。アパ側は今後、県の指導に従って是正計画を提出し、改修工事を進める。

 構造計算をしたのは田村水落設計(富山市)の水落光男建築士。県は「水落建築士は『建築確認が下りる期日が迫っていたので部分的な差し替えをした』と話していた。差し替えを『偽装』とする国土交通省の基準に照らせば、偽装の疑いが強いと判断せざるを得ない」と説明。国交省も、構造計算書が意図的に差し替えられていることから「偽装と判断する」としている。

 水落建築士は同日、朝日新聞の取材に対して「書類を差し替えた認識はない。私は私なりの数値を採用することで耐震性が確保されると思っている。県からデータをもらって対策を考えたい」と話した。

 「成田」は5棟を組み合わせた12階建て、130戸の複合構造。構造計算書に疑問点が見つかったため、アパ側は完成前の昨年3月に工事を中断し、購入契約をした64戸はすべて解約した。

 県が再計算すると、耐震強度は最も弱い部分で0.74となった。また、震度5程度の中規模地震では無傷のはずの柱や梁(はり)の1割弱が損傷する結果も出た。これに基づき、県は強度不足と判断した。

 京都市のホテルの偽装は、このマンションの問題を受け、国土交通省が同建築士の手がけた物件のサンプル調査を進めたことで発覚した。

http://www.asahi.com/national/update/0202/TKY200702020266.html