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2007年02月01日(木) 00時00分

『新商品で相殺』勧誘 リッチランド 配当先送り画策か 東京新聞

 健康食品販売会社「リッチランド」による巨額詐欺事件で、警視庁と静岡、福岡両県警の合同捜査本部に詐欺容疑で逮捕された佐伯万寿夫容疑者(61)らが、配当が滞りがちになった二〇〇四年ごろから、会員に「別の投資コースに申し込めば、その配当金で、新規コースの申込金を相殺する」と強く勧め、配当金を払わないまま新たな投資を募っていたことが三十一日、捜査本部の調べなどで分かった。経営が悪化した同社が、配当の先送りと、さらなる資金集めを画策したとみられる。

 同社会員だった六十代の無職の男性によると、〇四年六月、「五年後に元手が二・五倍」との約束で、五年間の長期コースを妻と一緒に申し込み六百万円を出資した。だが、配当が出る前から、一年間の短期コースなど別の投資コースを同社から勧められた。新規コースの申込金は出資したコースの配当金で相殺する仕組みだった。事業説明会で同社幹部らは「税金対策にもなる」と話し、税金の支払いを考えれば、配当を受け取るよりも得だと説明したという。

 捜査本部の調べでは、同社は〇四年二月ごろから配当が滞りがちになり〇五年春ごろに途絶えた。相殺手続きの勧誘は、〇四年に入ってからしきりに行われていたという。警視庁の家宅捜索が入った〇五年六月には、配当金の支払いを時期未定として延期。謝罪とともに「相殺は随時受け付けている」と勧める文書を会員に出していた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070201/mng_____sya_____011.shtml