記事登録
2007年02月01日(木) 00時00分

再調査 中電に指示/データ改ざん問題朝日新聞

  中国電力が水力発電用の佐々並川ダム(萩市)と生雲(いくも)ダム(阿東町)について、ダム湖にたまる土砂量のデータを改ざんして県に定期報告していた問題で、県は31日、河川法に基づき、県職員の立ち会いのもとでの再調査と再発防止策の2点を中電に指示した。県庁を訪ねた中電の金田幸三・山口支社長は「県民の皆様に深くおわび申し上げます」と陳謝した。

  応対した県土木建築部の中村和之部長は「誠に遺憾に思っている」と述べ、現状が安全かどうか把握するため再調査するよう口頭で求めた。「一刻も早く信頼回復を」と苦言を呈した中村部長に対し、金田支社長は「二度と起こらないよう原因究明を徹底的に行い、実効ある再発防止策を立てたい」と語った。

  中電が県に提出した「データ改ざん報告書」によると、改ざんが確認された期間は佐々並川ダムが81〜87年度と90〜93年度、95〜04年度で、生雲ダムは81〜84年度。改ざんした背景として「実測値に調整を加えることに対する心理的抵抗が生じにくかった」「報告事態を重大な業務と認識していなかった」などと記述している。

  報告書は「改ざんは過去に行われていたもので、現在まで継続していたものではない」とし、両ダムの安全性については「問題はない」と結論づけている。ただ、県側は報道陣に対し、改ざんが発覚したデータについて「ダムの安全性を我々が判断する上で必要なデータであり、あってはならないことだ」と指摘。再調査のめどについては「遅くとも3月末までに終わらせたい」との意向を示した。

  金田支社長は報道陣に対し、上関原発建設計画への影響について「私個人の思いとして危惧(きぐ)している」と述べ、「我々の企業体質を含めて基本から企業再生を図っていく」と語った。

http://mytown.asahi.com/yamaguchi/news.php?k_id=36000000702010004