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2007年02月01日(木) 00時00分

県立芸術会館で不正経理/調査委設置朝日新聞

 県教委の職員が公益通報制度を使って、「県立芸術会館の図録販売や入場券販売について不正がある」などとする内部通報をしたことを受け、県教委は31日、弁護士や公認会計士らで構成する調査委員会を設置したと発表した。同委員会で今後調査を進めるという。同制度に基づいて、不正の事実関係などについて調査するのは、同制度が出来た06年5月以来、初めてという。

 県教委によると、02年10月上旬、匿名で同文化課に対して「県立芸術会館が非売品であるはずの図録を販売しているほか、入場券で通し番号がないものが出回っている」との通報があった。

 同会館はこの通報を受けて内部調査を行い、10月中に県教委に報告書を提出した。今回の内部通報は、昨年12月に行われ、この02年の報告書の内容の真偽を調査するよう求めている。

 02年の報告書によれば、非売品の図録については78年1月ごろから販売を始めたが、01年9月以降は販売していないとし、代金は「県立芸術会館協力会」名義の銀行口座で管理していたとしている。

 この口座の残高は、最後に入金があった01年9月6日現在、29万1292円で、入場券についても「受付アルバイトから『企画展の時には何種類もチケットがあった』との話を聞いたが、詳細は不明」としている。

 しかし、報告書は販売代金の使い道について触れておらず、現在も使途不明のままのうえ、県教委は口座名義人とされる「同会館協力会」についても把握していないという。

 入場料収入も、本来は県に全額入金されなければならず、銀行口座で一時管理していた点について、県教委は「不適切な経理処理」としながら、口座が開設された理由や、口座から県に全額入金されていたかどうかについても確認できていないという。

 さらに、当時の県教委が同会館に対してどのような調査を行ったのかさえ、把握できていない。このため、県教委は今後、調査検討委員会で、報告書の内容について再調査するほか、当時の県教委の対応についても調べる方針だ。

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