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2007年02月01日(木) 00時00分

東電データ改ざん 東扇島でも2件 所長『信頼裏切った』 東京新聞

 東京電力のデータ改ざん問題で、同社東扇島火力発電所の菅井茂勝所長は三十一日、同発電所の二件のデータ改ざんについて川崎市役所で会見し「地域のみなさまの信頼を裏切り、深くおわびします」と謝罪した。市環境局は「大変、遺憾なこと」と批判。市公害防止条例違反に該当する改ざんもあり、市は一日に、同発電所を立ち入り検査するなどした上で、行政指導などを行う方針。

 同発電所は出力百万キロワットの発電機が二基ある。同社によると、二基がそろって動き始めた一九九〇年から、記録プログラムを操作してデータを改ざんした。二〇〇二年の同社原子力発電所のデータ改ざん発覚を受け、内部から改善を求める意見があり、〇三年以降は改ざんをやめたという。しかし、今回の経済産業省の点検指示まで、改ざんを明らかにしなかった。

 改ざんしたのは、出力と放水口の海水温のデータ。出力では、消費電力の変動に合わせ、出力を変えて瞬間的に百万キロワットを超えても、百万キロワットと記録するようプログラムを操作。電気事業法に基づく定期検査の記録などを改ざんした。許認可出力が百万キロワットだったため、改ざんしたとみられる。

 同社は同発電所建設時の一九八二年、市環境影響評価条例などに基づいて、市に提出した環境影響評価書で、自ら取水口と放水口の海水温の温度差を六度としていた。その温度差を常に五・九度以下に記録するよう放水口の海水温を改ざんした。市への報告書や、市公害防止条例で義務づけられた測定で、“自主ルール”を守るためだったという。同局は「あってはならない。環境影響評価の根本を揺るがす問題」と不正にあきれていた。 (飯田克志)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kgw/20070201/lcl_____kgw_____004.shtml