【500億円市場】
一説には、500億円規模ともいわれるバレンタイン市場。不二家では「(バレンタインでの売り上げ)金額は公表していない」(人事総務部)ながらも、結構な売り上げがあったのではないかと推測される。
同社はバレンタイン商品として、「ハートチョコレートのほか、ペコちゃんのハートチョコレートなど、毎年8〜10品の関連商品を出していた」(同)。大半は500円以内の商品で、コンビニやスーパーなどに流通していたという。
ピーナツが詰まったハートチョコレートはファンが多く、小売り希望価格が80円と安いことから“義理チョコ”の定番商品。不二家にとってもバレンタイン商戦の主力商品の1つだったが、それも商品撤去でお目にかかれなくなった。
【異状…なし】
義理チョコの定番商品がないとなれば、小売店も困ったのでは−と思いきや、意外に冷静。「不二家商品を多少扱う予定でしたが、コーナーに大きく穴を開けるほどではない」(ファミリーマート広報部)といった具合だ。
大手スーパーのダイエーは「バレンタイン商品の発注は昨年のうちに終わっていた」(広報部)ため、不二家問題は不測の事態。しかし「各店舗のバレンタインコーナーの企画は本部からの指示で行っており、基本的には今ある商品で空きスペースをつくらないように展開する」(同)。
西友は「(不二家は)主力商品ではないため、基本的には別のメーカーの商品で代用する」という。
このほか、サミットは「他の商品に広げて対応する。義理チョコでも他に並べる商品は数多くあるので、困ることはありません」。
イトーヨーカ堂に至っては、「基本的には単価の高い商品や、菓子職人が出すようなものを展開する。(不二家商品は)もともとバレンタインコーナーに出す予定はなかったのではないか」としている。
ペコちゃんの復活を待ち望むファンは数多くいるが、バレンタイン商戦に限っていえば、今年のキーワードは高級路線。本命の人には高級なチョコを贈りましょうというのが今年のトレンドで、もともと低価格品が多い不二家には不利になる可能性があった。
しかも低価格の義理チョコ向け商品は種類が多く、いくらでも代用品がある状態だ。
不二家問題があってもバレンタイン商戦に異状なし−というわけだ。
ZAKZAK 2007/02/01