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2007年01月31日(水) 00時00分

『あるある〜』捏造  真相解明へ調査のポイント  東京新聞

 関西テレビ制作の情報番組「発掘!あるある大事典2」で実験データの捏造(ねつぞう)が発覚した問題で、有識者でつくる社外の「発掘!あるある大事典」調査委員会(委員長・熊崎勝彦元東京地検特捜部長)が三十日、第一回会合を開いた。今後、番組関係者の聴取など捏造問題の真相究明に向けて活動を本格化させるが、調査のポイントはどこにあるのか。チェックしてみた。 (小田克也)

■だれが捏造したのか

 同番組は、関西テレビが番組制作会社「日本テレワーク」に発注。さらに同社が別の制作会社に、取材VTRの作成を発注している。

 制作スタッフは、プロデューサー六人(関テレ2人、日本テレワーク4人)の指揮下に、取材VTRを作成する会社が交代で参加している。

 捏造が発覚した一月七日放送分のVTR作成では、制作会社「アジト」が参加。同社のプロデューサー、ディレクター計七人がスタッフに加わっている。つまり直接、捏造にタッチしたのは現時点で、VTRを作成した七人である可能性が高い。

 関テレの福井澄郎取締役(編成局・制作局担当)も捏造について、「関テレと日本テレワークは放送後、外部の指摘で初めて知った」と明言。両社の関与を否定することで、「アジト」七人の行為であることを示唆したが、関テレも日本テレワークも本当に捏造を知らなかったのか。動機の解明とともに調査で明らかにすべき点だ。

■なぜ捏造を見抜けなかったのか

 一月七日放送分における捏造の一つが、米テンプル大のアーサー・ショーツ教授のインタビューVTR。同教授は実際には発言していない。

 アジトのプロデューサーとディレクターは、当初予定していたワシントン大の研究者との交渉が難航したため、ショーツ教授への取材に変更したという。

 このように取材がスムーズに進んでいなかったことは、関テレのプロデューサーも「報告は受けていた」(福井取締役)。それなのにどうして最終チェック段階で変更部分を念入りに点検しなかったのか。

 「あるある〜」は、企画内容やVTRについて、企画会議やスタジオ収録時など六段階(1月7日放送分は7段階)ものチェック機会があるが、なぜプロデューサーは捏造に気付かなかったのか。原因究明が望まれる。

■捏造は一月七日放送分以外にもあったか

 今回の捏造発覚後、「超悪玉コレステロール」「レタスの持つ催眠効果」「みそ汁のダイエット効果」などの放送分についても捏造の疑いが持たれている。

 「超悪玉」はジャンプコーポレーション、「レタス」は日本テレワーク、「みそ汁」はアジトが制作に参加。特にアジトは、「あるある〜」および前身の番組「発掘!あるある大事典」の制作を五十本以上受注している。

 調査委員会は週一回程度開き、三月中旬をめどに報告をまとめる予定だが、一月七日放送分以外の捏造疑惑についても真相に迫れるかどうか注目される。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20070131/mng_____hog_____000.shtml