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2007年01月31日(水) 00時00分

個人情報契約解除後放置朝日新聞

  カードローンの解約手続きを13年以上放置されたため、信用情報会社に誤った情報が登録されたままになり、不利益を被ったとして、美里町の会社員男性(57)が県信用組合を相手取り、約186万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、熊本地裁八代支部であった。三浦隆志裁判官は「誤った情報の放置で、原告の信用は少なからず傷つけられた」と一部訴えを認め、県信組に約11万円の支払いを命じた。

  判決などによると、男性は91年3月、県信組とカードローン契約を結んだが、借り入れをせずに同9月に解約した。しかし、県信組は05年3月に男性に指摘されるまで手続きを放置。契約内容や支払い状況など、契約時に信用情報会社に登録された男性の信用情報も削除されないままだった。

  この間、男性はクレジットカードの申し込みを断られるなどしたが、判決は因果関係を認めなかった。ただ、「カード契約の情報が登録されている以上、個人の信用にまったく意味をなさないものとはいえず、県信組の責任が免責されるものではない」と指摘した。

  判決を受け、原告代理人の弁護士は「個人情報管理が問われる中、県信組の体制はずさん。信用情報がどう扱われているのか、消費者自身が調べるきっかけになれば」と話した。一方、県信組は「判決を見てから、弁護士と相談して今後の対応を決めたい」とした。

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