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2007年01月31日(水) 23時07分

婦女暴行で誤認逮捕…富山県警、冤罪関係者処分せず読売新聞

 富山県警が2002年、同県氷見市の男性(39)を婦女暴行容疑などで誤認逮捕した冤罪(えんざい)事件で、県警の岸田憲夫警務部長は、31日の定例記者会見で、事件を捜査した当時の関係者らを処分しない方針を明らかにした。

 岸田警務部長は、「当時の捜査員の故意や重過失が原因で起こったものではなく、組織的な捜査の結果と認識しており、現時点で処分は考えていない」と述べた。

 この事件を巡っては、真犯人とされる松江市西川津町、無職大津英一被告(51)(婦女暴行傷害罪などで公判中)が昨年11月、男性が誤認逮捕された2件の婦女暴行・同未遂事件の犯行を自供。富山県警はこの後、事実関係を解明するため、男性を取り調べた当時の捜査員や氷見署幹部らに事情を聞いている。県警は、「男性の自白に対する裏付け捜査が不十分だった」と誤りを認めているが、特定の幹部や捜査員による違法な捜査の事実は確認していないとして、懲戒処分などの対象外とみている。

 県警の方針に対し、男性の兄は、「本人が一番悔しいと思う。処罰をしないのでは、なぜ、こうしたことが起きたか分からず、再発防止が今後できないのではないか」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070131i216.htm