記事登録
2007年01月31日(水) 00時00分

派手な“演出”で説明 リッチランド 実体ない事業信用させる 東京新聞

 健康食品販売会社「リッチランド」による巨額詐欺事件で、警視庁と静岡、福岡両県警の合同捜査本部が逮捕した同社会長佐伯万寿夫容疑者(61)らは、「必ずもうかる」と断言して出資金の九割以上を海外での事業にあてると会員に説明。その一方で、説明会で「沈没船で発見した財宝」と称して展示して見せたり、「不動産投資先の現地視察ツアー」を企画したりして、実体のない事業を信用させていたことが三十一日、捜査本部の調べなどで分かった。

 海外事業が主な投資対象とされたため、会員たちは実体を確認することが難しく、説明会の報告内容を信じていた。捜査本部は、同社が説明会を舞台に派手な“演出”で実体のない事業を信用させていたとみている。

 調べでは、佐伯容疑者らは二〇〇一年四月から〇五年六月の間、全国百二十七カ所で三百五十三回もの説明会を開催。「五年で元本二・五倍」と投資を持ち掛けた。

 「内証で金もうけしている。莫大(ばくだい)な利益を出していて、必ずもうかる」といった殺し文句で勧誘。商品購入を装った投資であり、出資金の九割以上を事業につぎ込むと説明したが、実際は、大半を配当と会社の運転資金につぎ込んでいたとみられる。

 説明会では、同社がロシアやルーマニアでマンションを建設した報告と称して、土地購入から建設までの映像を上映して宣伝。また、沈没船引き揚げ事業で発見したという陶磁器などを会場に展示、現地スタッフと称する外国人を招く演出もあった。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070131/eve_____sya_____003.shtml