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2007年01月31日(水) 18時07分

和解協議に影響も/リッチランド朝日新聞

 警視庁と県警などの合同捜査本部が健康食品販売会社「リッチランド」(東京都北区、営業停止)会長の佐伯万寿夫容疑者(61)ら17人を詐欺容疑で逮捕したのを受け、県西部を中心とした被害者の弁護団代表の岡島順治弁護士は30日、浜松市内で記者会見を開き、「今後の捜査を見極めながら被害者救済に取り組んでいく」と話した。(上田真仁)

 リッチランドを巡っては、昨年5月、8月、9月の計3次にわたり女性31人男性8人の計39人が総額約2億197万円の損害賠償を求め集団訴訟を起こしている。訴状などによると、リッチランドは「販社」と呼ばれる有力会員を使い個別に会員を募ったり、定期的にホテルなどで「事業説明会」を開催。会長の佐伯容疑者や幹部が投資内容を説明していたとされる。具体的には、海外での不動産開発や外国人による沈没船の積み荷の引き揚げ事業を紹介。すでに会員になった人の預金通帳を会員になろうとしていた主婦ら見せ、投資利益の振り込みがあったことを示すなどしたという。被害者は浜松、袋井、磐田などの県西部や愛知県東部などが多いとされ、年金生活者や主婦ら40〜60代が中心という。

 浜松の訴訟は、同社を巡って全国でも初めての訴訟。うち1次訴訟分24人が1億1319万3870円で和解成立している。昨年11月30日、リッチランドは08年9月末までに23回の分割払いで支払うとし、昨年11月と12月、1月分の計約1589万円がすでに原告側に振り込まれているという。

 岡島弁護士によると「リッチランド側の弁護士は『いま金はない。3月上旬になれば出資に対する返済金ができる』と話している」と明かした。2、3次訴訟の和解については、リッチランドから確実に返済金が振り込まれなければ応じる考えのないことを示した。佐伯会長らの逮捕により、返済金の支払いは不透明になっている。

 逮捕による今後の和解協議への影響について岡島弁護士は、捜査の成り行きを見守りたいとした上で「警察ももっと早くリッチランド関係者を逮捕して全容を解明してほしかった。リッチランドに隠し財産があるかもしれない。その点も早期に解明してもらいたい。もし、支払われないという状態となっても、被害者救済を確実に迅速に進める」と強調した。

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