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2007年01月31日(水) 14時28分

番組の根幹データは外国人発言 あるある捏造疑惑朝日新聞

 関西テレビが制作していた「発掘!あるある大事典2」で、また、海外研究者の発言を作り替えていた疑いが出てきた。「納豆で若返り」というテーマに沿った内容にされたとみられ、はじめに結論ありきの制作姿勢がうかがえる。

 「世界が大注目! 納豆で若返る方法」(06年7月30日放送)の回に登場したイギリスの研究者アントニー・マイケル氏によると、番組スタッフから初めて連絡を受けたのは、放送の約1カ月前。「納豆に含まれるポリアミンについて、テレビ番組をつくるため調査している」という内容のメールだったという。

 同氏によると、さらに同じ日に2通目のメールが届いた。「納豆は英国では知られていない」と返信すると、「びっくりしました」というメールが返ってきた。さらに送られてきたメールには、「被験者に納豆を食べさせる実験をしているふりをしてほしい。そうすれば撮影することができるから」という内容が書かれていたといい、マイケル氏は実験は断ったという。

 マイケル氏は「私に撮影のための実験をさせようとしたので、彼らが私の研究室にいた3時間は非常に奇妙なものだった。私に今日の午後、家を建てることができるか、と言っているようなものだった」という。

 番組では、マイケル氏の発言は、「納豆」という言葉がわずかに聞き取れるくらいで、日本語訳の吹き替えと字幕で紹介されていた。

 「あるある」では「納豆ダイエット」の回で、米国の研究者の「日本の方々にとっても身近な食材で、(ホルモンの一種である)DHEAを増やすことが可能です」という発言が捏造(ねつぞう)であることが発覚。また「みそ汁ダイエット」の回では、別の米国の研究者が吹き替えや字幕で「朝食に味噌(みそ)汁を摂(と)る事はダイエットには非常に効果的」と話したとしていたが、朝日新聞の取材に対し本人が否定した。いずれもその番組のテーマの理論付けには欠かせない部分だった。

http://www.asahi.com/culture/tv_radio/OSK200701310007.html