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2007年01月30日(火) 20時02分

ミツカン、納豆で関西市場に本腰 捏造・納豆嫌い克服へ朝日新聞

 ミツカングループ(愛知県)が、納豆嫌いとされる関西市場に本腰を入れる。30日には兵庫県三木市に同社としては西日本で初めてとなる納豆工場を立ち上げた。番組データ捏造(ねつぞう)事件の余波もあるなかの新規投資となったが、調味料メーカーとしての強みを生かし、関西の味覚に合うような特製たれ付きの開発などで、市場の開拓と浸透を図る。

新設されたミツカンの納豆工場で「におわなっとう」が次々と生産されていく=ミツカンフレシア三木工場で

 現在、ミツカンの納豆工場があるのは、需要地に近い群馬、千葉、愛知の3県。4カ所目となる新工場は主に関西地区への出荷を担い、1日の生産能力は32万食。業界2位の同社の生産量が15%増える計算という。調味料工場も併設しており、計87億円を投じた。

 同社によると、納豆の市場規模は相変わらず「東高西低」だが、健康ブームも背景に関西でも徐々に浸透してきた。参入時の97年と比べた05年の伸び率は首都圏4%、東海圏9%とほぼ飽和状態だが、関西圏は19%増。最大手のタカノフーズ(茨城県)は軸足を東日本に置いており、関西では主に旭松食品(大阪市)とミツカンが競う。

 関西の場合は特に、納豆独特の風味をいかに抑えるかがかぎを握るという。旭松食品の「なっとういち」に、ミツカンは食酢で培った発酵技術を応用した「におわなっとう」で対抗。さらに、「梅風味黒酢たれ」「もみじおろしぽん酢たれ」「とろ〜りたまご入り醤油(しょうゆ)たれ」と相次ぎ商品化、たれの風味で引きつけようと知恵を絞る。

 ただ、市場全体は、納豆ダイエット効果をうたったテレビ番組のデータ捏造事件の影響にもさらされる。ミツカングループの中埜又左エ門和英社長はこの日の工場起動式で、「捏造問題でいまは需給バランスが崩れているが、関西市場の潜在的な需要をより顕在化させていきたい」と語った。

http://www.asahi.com/business/update/0130/137.html