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2007年01月30日(火) 00時00分

2ちゃんねるのひろゆき出廷直撃…訴状見てニヤニヤZAKZAK

 29日、東京地裁。開廷時間2分前の午後2時28分。法廷内の大半がこれまでのように“欠席裁判”を覚悟する中、被告の西村氏は毛皮付きの上着にサンダルをつっかけ、グレーのリュックサックを背負って現れ、「すごいことになってるね」。

 裁判長に「西村さんですか」と問われると「はい、はい、はい」と答え、席に着くと訴状などに目を通してニヤニヤ。弁護士は伴っていなかった。

 この裁判で西村氏を訴えたのは、かつて2Chの運営で中枢を担った山本一郎氏(34)。平成14年2月ごろ、運営方針の違いから西村氏と袂を分かったが、いまだ2Chでは「頭と心の病気」「態度のでかい乞食」「山本擁護の書き込みの大半は山本本人」など、山本氏への誹謗中傷が続いている。

 原告側は弁護士が出廷、山本氏の姿はなかったが、2Chの内情を知る原告だけに、訴状では2Chの構造的な問題を子細に指摘。書き込みを原則放置する運用方針を掲げて違法な書き込み者の情報開示にも応じてこなかった西村氏に対して、侮辱的な書き込みを「積極的に心因的に幇助した」として、(1)問題のある書き込みの削除(2)「山本一郎」「切込隊長(山本氏のハンドルネーム)」の文字列を含む専用掲示板の禁止(3)200万円の損害賠償−などを求めている。

 法廷で西村氏は「原告の請求をいずれも棄却するように」と主張。さらに2Chの内部事情について事実確認を求める原告側とやりとりをしたが、2Chに縁がない裁判長は「お互い分かっていることが裁判所だけ分からない」とお手上げポーズ。「私の娘は(2Chを)よく知ってるのだが」と苦笑する裁判長に、西村氏は「よろしくお伝えください」と応じた。

 また、「山本一郎」「切込隊長」の文字列が入った専門掲示板を立てないよう求める原告側に対し、西村氏は「山本一郎は全国に何人もいる。切込隊長は野球界にもいる」と反撃した。

 閉廷後、夕刊フジの取材に応じた西村氏は、これまで無視してきた民事訴訟に出廷した理由について、「(原告が)知り合いだし、面白そうだから。原告がどんな顔してくるのかと思って。普通、恥ずかしいでしょ」と説明。 答弁書は1時間で書き上げた1枚のみ。「次回も来るが、次も山本さんが来ないならもうばっくれる(無視する)かも」と話した。

 一方の山本氏は夕刊フジの取材に対し、「代理人を立てているのだから、自分が出る必要はない」とし、「他の裁判には出てこないのに何だろう、僕だけVIP待遇?」と西村氏を皮肉った。

 山本氏によれば、これまで仮処分の申し立てを行ってきたが、西村氏は呼び出しを無視。命令が出ても書き込み削除などに応じなかったため、本訴に至ったという。

 多くの被害者の訴えを無視しながら、「面白そう」と気まぐれで出廷してきた西村氏。法廷では「僕以外の管理人はいない」と断言したが、一方で1000万ユーザーを抱える管理人としての「責任を感じていない」とも言い切る。今後も他の訴訟は「出る気になったら出る」方針だ。

 今後、山本氏側がベールに包まれた2Chの内情を法廷で暴露する可能性は高い。2Chの興隆をともに支えた盟友にまで訴えられた西村氏の、孤独な戦いの行方やいかに? 

ZAKZAK 2007/01/30

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007013020.html?