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2007年01月30日(火) 00時00分

金銭払い参加者集め 最高裁裁判員フォーラム 裁判員制度フォーラムの謝礼金問題をめぐり、記者会見で頭を下げる産経新聞大阪本社の幹部ら=30日午前0時32分、大阪市で 東京新聞

 最高裁は二十九日、裁判員制度への理解を深めるために開催する「裁判員制度全国フォーラム」で、共催する産経新聞大阪本社や千葉日報社の担当者が、フォーラムの参加者を金銭を支払って集めていた、と発表した。 

 最高裁によると、産経新聞が動員をかけていたのは、(1)今月二十日に大阪市内(2)一昨年十月に同市内(3)同年十一月に和歌山市内−でそれぞれ開かれたフォーラム。一人当たり三千−五千円を払うことを条件に、人材派遣会社や生活情報誌の配達員らに依頼して、計約二百四十四人を集めた。

 また、千葉日報の担当者は、昨年一月に千葉市内で開かれたフォーラムで、別の事業で手伝ってもらったことのあるボランティアら三十八人に三千円ずつ支払って参加させた。

 いずれのケースも、裁判所や業務を請け負う広告代理店「電通」(東京)は関係しておらず、共催した新聞社の独自判断で行われ、報酬もフォーラム事業費ではなく、両新聞社の経費から支出されたという。参加者の募集は新聞社が担当していた。

 最高裁は「応募が定員に満たないという危機感から動員したようだ。数合わせだけで、質問の依頼はなかった」と説明。「趣旨や目的に沿わない不適切な行為。主催者として誠に申し訳ない。同様のことが起こらないよう注意していく」とコメントした。

 裁判員制度の周知をめぐっては、法務省が主催する「司法制度改革タウンミーティング」で、質疑の台本を用意して出席者に事前に質問を依頼していたことが明らかになっている。

 二十六日、一部メディアから最高裁に問い合わせがあり、調査の結果、事実が確認されたという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070130/mng_____sya_____007.shtml