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2007年01月30日(火) 21時35分

「不二家」全洋菓子工場で細菌の有毒性確認せず出荷読売新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)は30日、東京都内のホテルで記者会見し、国内5か所すべての洋菓子工場で行う商品の細菌検査で、菌の病原性や有毒性を確認しないまま、商品を出荷していたことを明らかにした。

 同社は「信頼性のない検査を行っていた。考えが甘かった」として、検査の欠陥を認めた。

 同社の洋菓子工場では、国の基準に反し、大腸菌群や黄色ブドウ球菌が陽性でも、検出数が社内基準以下であれば出荷を認めていたことが既に判明している。30日の会見では、検査で大腸菌群が陽性となった場合も、病原大腸菌のように食中毒を引き起こす恐れのある菌が含まれているかどうかを調べていなかったことが、新たにわかった。黄色ブドウ球菌についても、毒素を作る菌かどうかチェックしていなかった。

 同社では、ずさんな検査で、大腸菌群が検出された商品が過去に出荷されていたことを認めた。

 また、同社は同日、商品への異物混入に関する苦情や問い合わせが、2005年12月〜06年11月で1693件あったと発表した。髪の毛の混入が一番多かったという。

 上田成子・女子栄養大教授(食品衛生微生物学)は「病原大腸菌などが含まれていれば、少量でも流通や購入先での保存方法いかんで増殖し、食中毒を起こすことがある。食品メーカーとしてあまりにずさん」と話す。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070130it15.htm