記事登録
2007年01月30日(火) 22時25分

鳥インフル/防疫対策を徹底朝日新聞

◆県が立ち入り検査◆

 県は29日、宮崎、岡山両県内の養鶏場の鶏が高病原性鳥インフルエンザに感染し、相次いで死んだのを受け、県内の養鶏場の立ち入り検査を始めた。養鶏農家も防疫対策に努めているが、感染防止に特効薬のないウイルスに困惑する声も上がっている。

 県の立ち入り検査の対象は100羽以上を飼う県内の54の養鶏場。出雲市や益田市など県内5カ所の家畜保健衛生所の職員が、野鳥など野生動物の鶏舎への侵入を防ぐネットを点検し、鶏舎へ出入りする人や車両の消毒の徹底を指導した。検査は2月1日までに終える予定。

 県庁では、3回目の危機管理連絡会議が開かれた。岡山県高梁市内の養鶏場で死んだ鶏から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたことなどが報告された。

 28日の県内の養鶏場の緊急調査では、100羽以上の54カ所すべてで鶏に異常がなく、高梁市の発生養鶏場や半径10キロ以内の移動制限区域の養鶏場と関係のあるところもないとした。1カ所が岡山県内から採卵鶏のひなを買い入れているが、移動制限区域外という。

 多久和正・食料安全推進室長は「強い危機感を持っているが、感染源が特定できないなかでは、地道に防疫対策を続けていくしかない」と話している。

∞養鶏場も消毒の回数増∞

 雲南市内の養鶏場の経営者は「今日(29日)から従業員の消毒回数を1回増やした。考えられる対策はすべてしている。今後も徹底したい」と話した。出雲市内の養鶏場の経営者は、04年に山口県内の養鶏場などで感染死が見つかった時から消毒などを徹底させているとするが、「ウイルスは目に見えず、感染源も特定されていないから怖い」と話した。

 県内の大規模鶏卵生産農家が加盟する県養鶏協会は「県内で発生させないため、防疫の徹底を」と呼びかけるファクスを会員に流している。卵の値段が下がったり売れ行きが悪くなったりする影響はないという。

http://mytown.asahi.com/shimane/news.php?k_id=33000000701300005