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2007年01月30日(火) 22時24分

外務省HPが人気 米国務省に続き世界2位朝日新聞

 日本の外交方針や海外情報などを知らせる外務省の公式ホームページ(HP)が人気を集めている。米国の調査会社のインターネット利用動向調査によると、世界111カ国の外務省HPランキングで最近2位になった。インターネット人口が世界で10億人を超える時代。発信力の一層の強化を目指し、IT広報室の室長に民間のコンピューター専門家を起用するなど、脱「お堅い役所HP」に取り組んでいる。

 外務省が「客観的な評価サイト」とみなしている米国のアレクサ・インターネット社は、過去3カ月のアクセス数などのデータを基にランキングをはじき出しているが、日本は米国務省に続き、3位サウジアラビア、4位中国、5位フランスをしのいだ。人気の理由については外務省職員も首をひねるが、速報性や使い勝手が評価されているとの見方もある。

 同省HPは95年に英語版から出発し、翌年には日本語版ができてアクセス数が増えた。05年度は日本語版と英語版を合わせて最多の1億3300万件に。普段は旅券や渡航情報へのアクセスが多いが、昨年7月の北朝鮮のミサイル発射直後に過去最多のアクセスを記録するなど、国際情勢にも敏感に反応している。

 外務省がHP改革に本格的に取り組み始めた契機は、小泉前首相の靖国神社参拝による日中関係の悪化だった。04年のサッカー・アジア杯での日本代表チームへのブーイングやデモなど中国で反日感情が高まり、外務省は中国のネット社会に訴える必要を感じたという。05年7月に新設したIT広報室には、日本IBMで官公庁のコンピューターシステム担当だった上村恵洋さん(58)を公募で室長に採用した。「これまでの官公庁のHPは『情報公開』が中心だった」と話す上村さんは、「発信力」の強化に取り組んだ。

 外相の記者会見は翌日には掲載。重要なニュースはその日のうちに。速報性を重視するほか、検索件数の多いキーワードを10件載せ、例えば北朝鮮→関連事項→国際会議での大臣発言、などと簡単に進めるようになった。在外公館の活動も29の言語で紹介している。

 また、外務官僚への理解を深めてもらうため、外交官が外国語をどう学んだかや、通訳の仕事の裏話を披露するなど「親しみやすさ」にも気を配る。今後は「見やすさ」の点からも改良を進めたいという。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000701300010