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2007年01月30日(火) 21時24分

「あるある」関テレ数十億円の損失か朝日新聞

 関西テレビ制作の情報番組「発掘!あるある大事典2」が実験データをねつ造した問題で29日、同局は調査の途中報告を行い、業績に多大な影響が出ることを認めた。今後もスポンサー離れが加速する可能性が強く、影響は十数億円から数十億円に上るとみられる。一方、みそ汁にダイエット効果があるとした昨年2月の放送分でもコメントをねつ造していたことがこの日発覚。会見でも追及を受けたが、納豆問題を説明しただけで、新たな疑惑には何も答えられなかった。

 次々に発覚するねつ造で、関テレの業績は大打撃を受けそうだ。放送関係者の間では、スポンサー離れが加速し最終的には「十数億円から数十億円に上るのではないか」との見方が出ている。この日の会見では、具体的な損失見込み額を明らかにしなかったものの「(影響は)単に番組にとどまらない問題だ。現場で精査をしている」(山本紘専務)と述べ、業績への影響を率直に認めた。

 「あるある」は関西テレビにとって数少ないドル箱商品だ。花王が単独スポンサーだったが、今回のねつ造問題で降板。全国ネットの制作番組が少ない関テレにとって、大きな痛手になる。さらに同番組は、数カ月後の放送を見越して制作するため、打ち切りで経費が無駄になるほか、番組と連動した関連事業の売り上げも見込めず、業績への影響は計り知れないようだ。

 一方、この日新たにねつ造の疑いが出たのは昨年2月19日放送分の「衝撃!味噌汁でヤセる」と、前身番組「発掘!あるある大事典」で「小豆」に頭の活性化作用があるとした01年3月11日放送分。

 「味噌汁」の回では、みその専門家としてテキサス工科大のキム・サンウー助教授を紹介し、日本語吹き替えと字幕で「朝食にみそ汁を取ることはダイエットに非常に効果的」と発言したように放送した。しかし、助教授は「みその減量効果については発言していない」と答えている。

 また一部報道で明らかになった「小豆」の回では、もともと珠算の級位が違う被験者3人が珠算の問題を解き、2級の女性が「小豆あんこ」を食べるよう要望され、「チョコレート」「ケーキ」を食べた3級の女性2人より「正答率が上がった」と結論付けた。

 同番組では、これまで「納豆ダイエット」(1月7日放送)「レタスで快眠」(98年10月25日)とした回でねつ造疑惑が上がっているが、関テレでは「納豆」の回以外は「過去の放送分も含めて調査しているが、調査がまとまった段階で報告する」とし正式には認めていない。


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