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2007年01月29日(月) 00時00分

「あるある」レタス快眠もウソ朝日新聞

 実験データねつ造などが発覚した関西テレビ放送の情報番組「発掘!あるある大事典2」の前身の番組で、似たような実験内容のねつ造があったと、実験を依頼された研究者らが28日、証言した。番組は「発掘!あるある大事典」の98年10月25日放送分。「快眠」と題し、レタスの催眠作用の効果を取り上げた。同番組は96年10月に放送が始まっており、長年にわたって実験内容などがねつ造されていた可能性も出てきた。

 「発掘!あるある大事典」の実験を依頼されたのは、千葉科学大の長村洋一教授(健康食品学)。98年10月25日の放送日の3週間ほど前、番組制作者から「レタスを食べるとよく眠れるという実験をしてほしい」と依頼があり、マウス約20匹を使って実験した。

 マウスを2グループに分け、一方にレタスの汁を与え、もう一方には同量の水を与えて1時間半ほど変化を観察。しかし、結果にほとんど違いが出ず、収録していた番組制作者らもマウスが眠らなかったことを確認した上で「残念でした」と話し、帰ったという。

 しかし放送では、一時的にかごの隅でおとなしくし、眠っているようにも見えるマウスの姿を流し、テロップで「眠ってしまった!」と説明。さらに実験にかかわっていない実践女子大の田島真教授(食品学)のコメントを付け、あたかも催眠効果があったように編集し、放送したという。

 田島教授は「放送前に眠りを誘う物質はどういうものがあるかと取材があり、一般論としてレタスの特定の成分には催眠効果があると答えただけ。コメントの都合のいい部分だけ使われた」と話した。長村教授は「レタスにも催眠成分は少し存在するが、存在することと有効であることは別だ」と指摘している。

 前身の番組は96年10月から04年3月まで続いており、スタート当初から実験内容などがねつ造されていた可能性が出てきた。関西テレビ広報部は「現在、1月7日放送分だけでなく、過去の放送分に関しても調査を始めているが、現時点では個別の放送分に関してはまだお答えできない。1月7日放送分に関する中間報告を近日中に発表し、過去の放送分に関しても調査でき次第発表していく」としか対応できなかった。


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