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2007年01月29日(月) 22時08分

7回の点検素通り 「あるある」捏造、関テレが中間報告朝日新聞

 生活情報番組「発掘!あるある大事典2」のデータ捏造(ねつぞう)問題で、制作した関西テレビの山本紘(ひろし)専務らが29日、大阪市内の本社で記者会見を開き、捏造を認めた「納豆ダイエット」の回(1月7日放送)の制作過程に関する社内調査の中間報告を発表した。

 会見には、山本専務と澤田直彦、福井澄郎両取締役が出席した。発表によると、番組は「短期ダイエット」のテーマに合う食材として昨年10月、納豆に着目した。しかし当初予定していた納豆成分の取材がうまくいかなかったため、11月、別の成分に対象を変更した。12月に被験者から血液を採ったが、孫請け制作会社「アジト」のディレクターが、「分析に時間がかかり番組収録に間に合わない」と検査に出さず、この結果、番組のデータが捏造された。

 企画会議、スタジオ収録時、番組完成時など、関西テレビのプロデューサーに、企画やVTRをチェックする機会は計7回あったが、捏造には「放送後に問題が発覚するまで、まったく気づかなかった」と説明、「結果としてチェックを怠っていた」と述べた。

 質疑では、番組にかかわったアジトの担当者7人のうち2人にしか聞き取り調査を行っていないことや、納豆の回以外の捏造疑惑については調査に着手していないことなどが明らかになった。

 会見では、社外の識者による調査委員会のメンバーも発表した。音好宏(上智大助教授)、熊崎勝彦(弁護士)、鈴木秀美(大阪大学大学院教授)、村木良彦(メディア・プロデューサー)、吉岡忍(作家)の5氏で構成し、30日午後2時に東京で初会合を持つ。その後は週1回程度会合を開き、当事者を呼んで、捏造の原因や社内体制の問題点などを調べる。

http://www.asahi.com/national/update/0129/OSK200701290071.html