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2007年01月29日(月) 13時40分

DV被害者、別居後も5割が「追跡」に悩む 内閣府調査朝日新聞

 ドメスティック・バイオレンス(DV)の被害者のうち約5割が、加害者である配偶者らと離れて生活するようになってからも職場などで待ち伏せされたり、電話やメールを送られたりして悩んでいる。そんな実態が、内閣府が初めて実施したDV被害者の自立支援に関する調査で分かった。

 被害者支援や相談のため自治体が設けている「配偶者暴力相談支援センター」などを通じ、昨年10〜11月、アンケートを実施(調査票6631部配布)。799人から回答があり、その98%が女性だった。

 配偶者らと離れて暮らし始めてからも「追跡」されたことがある人は55%にのぼった。内容(複数回答)は「電話やメール、手紙が来た」が62%で最も多く、「実家や友人宅に現れた」(54%)、「家や避難先、職場などに来たり、待ち伏せされたりした」(37%)と続いた。

 離れて生活するにあたって困ったこと(複数回答)は、「当面のお金がない」(55%)▽「体調や気持ちが回復していない」(53%)▽「(新しい)住所を知られたくないので住民票を移せない」(53%)など。

 被害者の8割は子どもと生活している一方で、1カ月の収入が15万円未満の人が約7割にのぼり、厳しい経済状況がうかがえる。

 加害者に接近禁止などを命じる保護命令を裁判所に申し立て、発令されたことがある(されている)人は30%。申し立てたことのない人が59%で、理由としては「相手の反応が怖かった」「制度を知らなかった」などが挙げられている。昨年12月には徳島県で、40代の女性が、接近禁止命令が出ていた別居中の夫に刺殺される事件が起きた。

http://www.asahi.com/life/update/0129/006.html