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2007年01月29日(月) 01時44分

「レタス快眠作用」も改ざん、実験協力の教授が証言読売新聞

 関西テレビが制作したフジテレビ系「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、千葉科学大の長村洋一教授(健康食品学)が9年前の前身の番組でも、「レタスの快眠作用」についての実験結果を効果があるように歪曲(わいきょく)して放送されていたと28日、読売新聞の取材に対し証言した。

 長村教授は自身が理事長を務める健康食品管理士認定協会のホームページ上で問題を指摘。1996年10月からスタートした番組は、当初から実験結果の改ざんなどが行われていた可能性が出てきた。

 長村教授によると、1998年10月に放送された「発掘!あるある大事典」の「快眠」の回で、放送約3週間前に「レタスを食べると、よく眠れるという実験をしてほしい」と制作担当者から依頼を受けた。

 教授らは同大研究室で、約20匹のマウスを、レタスのジュースを与えたグループと水だけを与えたグループに分け、睡眠にどのような違いが出るかの実験を行った。しかし、ジュースを飲んだマウスに眠った様子はなく、思うような結果は得られなかった。

 ところが、番組では実験中、かごの隅でおとなしくなったマウスを「眠ってしまった!」との字幕を入れて紹介。実験にかかわっていない田島眞・実践女子大教授(食品学)の「レタスは催眠効果がある」としたコメントとともに放送したという。番組は当時も制作会社「日本テレワーク」(東京)が請け負っていた。

 長村教授は「あまりにもひどい番組への驚きに加え、コメントを寄せた方を傷つけるのではと考え、抗議はしなかった」と話す。今回の問題発覚後に、健康食品管理士認定協会のホームページ上でいきさつを説明した。

 田島教授は「一般論を述べたが、視聴者は私が実験を見て話したと思ったに違いない。残念でならない」と当惑気味だった。

 これに対し、関西テレビは「過去の放送も含め、番組に問題がなかったかを社内調査班、調査委員会で調べていく」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070128it12.htm