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2007年01月28日(日) 23時41分

東京・杉並の住宅に男女2人の遺体 強盗殺人事件か朝日新聞

 28日午後2時半ごろ、東京都杉並区桃井2丁目、野元富恵さん(85)方の近所の人から「野元さんの郵便受けに新聞がたまっている。様子を見てほしい」と通報があった。警視庁で調べたところ、室内で野元さんと長男新一郎さん(61)が死亡しているのが見つかった。2人の胸などに刃物で刺された傷があり、室内に物色された跡もあることから、警視庁は強盗殺人事件として荻窪署に捜査本部を設置、捜査を始めた。

遺体の見つかった民家付近を調べる捜査員ら=28日午後8時すぎ、東京都杉並区桃井2丁目で

 捜査本部の調べでは、野元さんは新一郎さんと2人暮らし。1階寝室のベッドの上にパジャマ姿の野元さん、2階寝室の布団の上でセーターを着た新一郎さんの遺体が見つかった。

 2人とも死因は刺されたことによる臓器損傷とみられる。2階寝室にはナイフが落ちていた。2人には布団がかかっており、いずれも寝ていたところを襲われた可能性がある。

 1、2階ともたんすの引き出しが開けられていた。2階で新一郎さんのものとみられる財布が見つかったが、紙幣がなく、カード類が散乱していた。玄関は施錠されていたが、勝手口は鍵がかかっていなかったという。浴室の電気がついたままだった。

 今月24日午後8時ごろ、野元さんの家族が電話で野元さんと話していた。友人によると、野元さんは25日に予定されていた町内の新年会に出席せず、友人が何度か電話したが、連絡がとれなかったという。

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 週に1度、野元さんとカラオケに行っていたという女性(88)は「新年会は『晴れたら和服で、雨だったら洋服でいく』と楽しみにしていた」と話した。別のカラオケ仲間の女性(82)は「いつも新しい歌を積極的に覚えて披露しようとする、元気な人」。友人の女性(74)は「水墨画が上手で趣味が多い人。世話好きで恨みを買う人ではない」と語った。

 新一郎さんを知る近所の店主によると、新一郎さんは設計の仕事をしており、「以前赴任していたカナダに妻と子どもを残し、自分は単身赴任のようなものだ」と話していたらしい。

 また、現場から約50メートル離れた住宅に住む女性は「今月16日ごろ、自宅の窓が傷つけられていた。隣の家でも同じ時期に明け方に空き巣が入ろうとした。関係があるのか」と不安がった。

http://www.asahi.com/national/update/0128/TKY200701280177.html