記事登録
2007年01月28日(日) 19時56分

ヒラリー始動、アイオワ州で他候補追う 米大統領選朝日新聞

 08年の米大統領選を狙う民主党のヒラリー・クリントン上院議員が27日、アイオワ州デモインで支持者との対話集会を開き、遊説をスタートした。同州は、州ごとの指名争いを競う党員集会を毎回、全国に先駆けて実施することで知られ、指名争いの行方を占う重要なポイント。全米では民主党の「先頭走者」のクリントン氏だが、同州ではライバルのエドワーズ元上院議員やオバマ上院議員に先を越され、巻き返しを図っている。

 「そろそろ女性大統領が誕生してもいいころだ」

 クリントン氏のそんな発言を、ロイター通信が伝えた。米国民は女性を選ぶだろうか……。高校の体育館に詰めかけた約1500人の支持者らが抱く疑問には、「挑戦してみないとわからない。私は挑戦する」。

 クリントン氏は20日に立候補宣言をした後、自らのウェブサイトで3夜連続で一般からの質問を受け付けた。「好きな映画は?」との問いには「大学時代は『カサブランカ』で、何度見たかわからない」と答えた。

 その後、早々とこのアイオワ州に足を運んだ。民主党関係者との会合では、02年秋のイラクへの武力攻撃容認決議に賛成したことへの質問も。ブッシュ大統領が進めるイラクへの米軍増派に反対するクリントン氏は「あの時点では最善の判断をしたが、大統領はその賛成票を乱用した」と釈明した。

 同州の党員集会は08年1月に予定されており、全米の指名争いがここから始まる。毎回、その動向が注目されることもあって、有権者の政治家を見る目は甘くない。

 クリントン氏はそこで出遅れている。米世論調査機関ゾグビー・インターナショナルが17日に発表した同州内の世論調査(15〜16日に実施)によると、04年の大統領選の副大統領候補だったエドワーズ氏が27%でトップ。「初のアフリカ系」大統領を目指して人気のオバマ氏が17%。クリントン氏はビルサック前アイオワ州知事とともに16%で並び、3番手にとどまっている。

 同調査の全米版(5〜9日に実施)では、クリントン氏が29%でトップ。オバマ氏14%、エドワーズ氏13%。クリントン氏のアイオワ州での出遅れが目立っている。

 エドワーズ氏は同州に足しげく通い、オバマ氏も中間選挙前に3回入った。だが、クリントン氏は03年11月以来、約3年ぶり。顔を出さなかったツケがまわっているようだ。

http://www.asahi.com/international/update/0128/011.html