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2007年01月28日(日) 15時22分

手榴弾型ケーキに込めた兵器廃絶の願い 東京・青山朝日新聞

 東京・青山のカフェで手榴弾(しゅりゅうだん)の形をした特製チョコレートケーキが期間限定で販売され、人気を集めている。「武器なんか食べちゃおう」という兵器廃絶のメッセージ。平和の尊さを若い世代に考えてもらうきっかけを作りたいと、広告会社長らがネット上などで展開してきた新たな平和運動の企画の一つだ。

兵器廃絶を訴えるために作られた手榴弾型のケーキ=東京都港区北青山で

 普通のケーキよりも一回り大きく、ムースに最高級のカカオ豆を原料にしたチョコレートを使っている。870円で1日限定50個の販売。25日は完売した。

 仕掛け人は、東京都港区で広告会社を営む石川淳哉さん(44)と、大手広告会社のアートディレクター徳田祐司さん(39)。

 2人でデザインを考え、ケーキメーカーと一緒に製品化した。東京都港区北青山2丁目のカフェ「Sign(サイン)」を経営する中村貞裕さん(36)が活動に賛同し、販売できることになった。

 26日夜に食べていた目黒区の女性会社員(28)は「発想が面白いと思った。戦争や平和について友達と語り合うきっかけになりそうです」と話していた。

 2人は05年1月にネット上に「retired weapons(引退した武器)」という名前のサイトを立ち上げ、平和運動を始めた。

 イラストやオブジェなどのアート作品で世界に兵器廃絶を訴える手法。代表作は、拳銃の銃身が曲がっていて、その先端からピンク色の花が咲いているイラスト。「火器から花器へ」というメッセージを込めたもので、ネット上などで発表してきた。

 「若い世代を引きつけるにはどうしても『カワイイ』『キュート』といった一瞬の印象が重要だ。広告のプロである僕らは誘導役。本格的な議論以前に、戦争や平和に無関心な若者が多すぎるのが問題では」と石川さんは語る。

 イラストを印刷したTシャツやカレンダーもじわじわ売れている。非営利の活動で、収益が出れば活動資金に充てる。

 特製ケーキ販売は、31日まで。問い合わせは同カフェ(03・5474・5040)。

http://www.asahi.com/national/update/0127/TKY200701270226.html