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2007年01月27日(土) 00時00分

三菱UFJ銀、業務停止へ 横領事件で不正関与 中日新聞

 金融庁が、三菱東京UFJ銀行に対し、大阪市の財団法人「飛鳥会」元理事長による横領事件に絡み、財団の元理事長や関連団体に数十億円を融資するなど不正にかかわったとして一部業務停止命令を出す方針を固めたことが27日、分かった。

 処分は、不正の舞台となった大阪市での法人向け業務のうち、これまで取引のない企業への新規融資を数カ月停止する案が有力だ。

 金融庁や大阪府警の調べでは、三菱東京UFJ銀は、飛鳥会の小西邦彦元理事長に対し数十億円を融資したが、大半が焦げ付いている。小西元理事長は今月24日、業務上横領などの罪で懲役6年の判決を受けた。

 三菱東京UFJ銀と小西元理事長の関係は1984年ごろ、同行の前身の三和銀行時代が発端。銀行は飛鳥会に行員を派遣して経理業務などをさせていた。小西元理事長の事件で大阪府警は昨年5月、同行淡路支社次長を業務上横領のほう助容疑で逮捕。同行は昨年、元理事長らに約80億円の返済を求め提訴している。

 金融庁は、こうした不適切な関係が、東京三菱銀とUFJ銀行(旧三和銀行・旧東海銀行)が合併した後も続いていた点を重視した。

 法令順守を徹底させるために、業務停止命令が必要と判断したもようだ。

 <飛鳥会事件> 同和地区の福祉向上を目的として設立された財団法人「飛鳥会」(大阪市東淀川区)の元理事長が同会を私物化し、約1億3000万円を着服した業務上横領などの罪で懲役6年の実刑判決を受けた事件。旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)淡路支社の次長も業務上横領ほう助容疑で逮捕され、起訴猶予となった。


http://www.chunichi.co.jp/00/kei/20070127/eve_____kei_____001.shtml