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2007年01月27日(土) 00時00分

天皇皇后両陛下が主人公の両親ねぎらう朝日新聞

 日韓合作映画「あなたを忘れない」(27日全国公開)の特別試写会が26日都内で行われ、天皇皇后両陛下が出席された。即位後のおふたりそろっての映画観賞は、99年11月の芸術祭で「新藤兼人の世界」を観賞されて以来、7年3カ月ぶり2回目。単作の試写は初めてだ。

 同映画は01年、JR新大久保駅で、男性を救出しようとして亡くなった韓国人留学生イ・スヒョンさん(享年26)の実話に基づいたストーリー。実は両陛下の異例の試写会出席の背景には、皇后陛下と故人の両親との間の、知られざる秘話があったからだった。

 事故から10カ月後に来日したスヒョンさんの両親は皇居見学中に、偶然、皇后陛下と遭遇した。スヒョンさんの遺族と知った皇后陛下から「あの事故には当時から痛ましい思いをしておりました。何かあったら何でもおっしゃってください」と声を掛けられ、手を握られたという。このような経緯の中から、両陛下の試写会出席が実現した。

 観賞後に両陛下と対面した故人の母ユンチャンさんは「立派な映画、立派な息子さんでしたねとお声を掛けていただきました」と、目を潤ませて感激した。父ソンデさんは「両陛下には、隣国同士で仲良くしていきましょうとの思いがあったようです」と話した。

 花堂純次監督(51)は、両陛下の鑑賞の意義を「日韓の懸け橋になるという映画の目的に、大きな力を与えてくれた」と力説。スヒョンさんの命日に行われたこの日の特別試写会は、全国公開前に勢いをつけた。

 また、試写会には、安倍首相の昭恵夫人や福田康夫元官房長官、田中真紀子元外相らも出席した。

http://www.asahi.com/culture/movie/NIK200701270003.html