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2007年01月27日(土) 23時19分

豚年でも豚CM禁止 中国中央電視台「イスラムに配慮」朝日新聞

 えとが「豚年」となる春節(旧正月)を2月18日に控え、中国の国営中央電視台は、豚のキャラクターをテレビCMで使わないよう広告会社に通達した。豚を不浄と考えるイスラム教徒の宗教感情に配慮した措置だという。飲料大手コカ・コーラが豚をやめてパンダにするなど、春節向けのCMキャラに豚を予定していた企業は対応に追われている。

 26日付の米紙エイジアン・ウォールストリート・ジャーナルなどが伝えた。中央電視台の通達は「中国は多民族国家。イスラム教徒への敬意を示すため豚のイメージを画面から排除する」との内容で、「(決定は)政府の指導によるものだ」と説明している。

 中国のイスラム教徒はウイグル族や回族などを中心に1800万〜2000万人に上る。新疆ウイグル自治区では、中国からの独立を目指すイスラム系グループが活動。中国当局は今年初めにグループの拠点を襲撃しメンバー18人を射殺するなど対決姿勢を強めている。

 今回の通達は、こうした事情を背景に、「調和のとれた社会」を掲げる胡錦濤政権が、イスラム系住民の感情を逆なでしないよう腐心している表れと見られる。

http://www.asahi.com/international/update/0127/018.html