記事登録
2007年01月27日(土) 00時00分

角田参院副議長が辞任朝日新聞

 「辞めない」会見の2日後に辞任——。01年参院選で角田義一・参院副議長(群馬選挙区)の選挙組織が多額の献金を受けながら政治資金収支報告書に記載されなかった疑惑は、「説明不足」の声がやまぬまま、角田氏の副議長辞任に発展した。県内の民主党関係者から「潔い決断」との評価がある一方、「うやむやのままで納得がいかない」と不満もくすぶる。

 角田氏の政務秘書を昨年末まで務めた民主党県連事務局長の長沼広氏は「副議長になってから中韓を訪問し関係修復をはかるなど、立派な政治家だった。思いが交錯し言葉にならない」と話す。同党の石関貴史衆院議員(比例区北関東)は「政治の大きな責任と大局を見据えてぎりぎりのところで決断されたことを多としたい」とのコメントを出した。

 現段階で今春の県議選に民主党公認として立候補を予定する5人も、思いは多様だ。

 現職の桑原功氏(前橋市・勢多郡区)は「責任の取り方として潔い。民主の顔だったので選挙に影響がないとは言えない」とし、新顔の亀田好子氏(同)は「とても残念に思っている。当選して新しい民主党にしていきたい」とした。現職の大沢幸一氏(桐生市区)も「残念としか言いようがない」と話した。

 一方、新顔の石川貴夫氏(高崎市区)は「うやむやのままの辞任には納得いかず、責任を取ったとは言えない。新しい民主党に変えるため、引き続き支持を訴えていく」と語り、同じく新顔の久保田務氏(伊勢崎市区)は「報道以上のいきさつを知らず、ただ驚いている」と話した。

 昨年6月の分裂以来、同党県連は一連の会計問題に伴った旧執行部の総退陣と、角田氏の辞任という「かつて経験したことのない状況」(県連幹部)に陥り、今夏の参院選への対応や県連運営についても「着地点という基本部分が見えなくなった」(同)。

◆相次ぐ証言、増す批判

 角田義一・参院副議長が辞任するきっかけになった疑惑は、角田氏が民主党県連会長だった01年参院選で、選挙組織が約2500万円の簿外の献金を集めていたことを示す帳簿が明らかになったことから始まった。

 帳簿には「陣中見舞い」などの名目で、献金者、日付、金額が記載されていた。寄付を受けることが禁止されている外国人団体も含まれていた。しかし角田氏の資金管理団体や県連の政治資金収支報告書には記載がなく、裏金になっていた可能性も浮上した。

 県連関係者が「幹部の指示で現金を金庫に入れ、県連の通帳には入れなかった」と話すなど、帳簿や献金のやりとりを裏付ける証言が相次いだ。帳簿に記載された一部団体も「担当者が(現金を)持参したはず」「県連名義の領収書を受け取った」と話した。

 角田氏は帳簿が手元にないことを理由に具体的な説明を拒んだ。発覚後に広範囲にわたる調査はなく、選挙組織の元関係者からも「金の出し入れを、角田氏を含めた幹部は知っていた」との証言が出て、説明不足を指摘する内外の声が増幅していった。

http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000701270002