記事登録
2007年01月27日(土) 00時00分

耐震偽装 高層物や高校校舎も 田村水落設計関与の119件 県が内訳発表 中日新聞

 富山市の設計会社「田村水落設計」による構造計算をめぐる耐震強度偽装問題で、富山県は二十六日、同事務所が関与した県内百十九物件の内訳を発表した。マンションなどの高層建築物(六階以上)は、既に国土交通省による全国四十二件のサンプル検査により安全性が確認されている三件を除き、四件と分かった。

 県によると、内訳は富山市七十九件、高岡市五件、県所管のそのほかが三十五件。高層以外では中層(三−五階)が三十一件、低層(一、二階)が七十件、修繕工事などが十一件。アパグループ関連のマンションは四件(うち高岡市の一件は安全確認済)だった。

 公共施設は低・中層の四十件。県を除く国と市町村関係の建物で、小学校の体育館や高校の校舎も含まれる。病院・医院は八件あった。

 県は施設名については「今の時点では混乱するので、しばらく差し控えたい」として公表しなかった。今後、構造計算書を再点検するなど国交省への回答期限(二月十四日)へ向けて偽装の有無の確認を急ぎ、必要に応じ田村水落設計からのヒアリングや現場調査なども行う方針。

 県内には同事務所が設計に関与した物件の約七割が集中しており、同日会見した石井隆一知事は「本当に遺憾なことで残念。県民の安心・安全を守る立場から、できるだけ早急に作業を進めたい」と話した。


http://www.chunichi.co.jp/00/tym/20070127/lcl_____tym_____000.shtml