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2007年01月27日(土) 01時45分

三洋の洗濯乾燥機、リコール後も発火…16万台再点検読売新聞

 三洋電機は26日、発火の恐れがあるとして2004年9月にリコール(無料点検・修理)を発表していたドラム式洗濯乾燥機「トップオープンドラム」で、リコール後も4件の発火事故があったと発表した。

 うち1件は修理を終えていた製品で、05年4月に乾燥中に発火し、1人が軽いやけどを負った。設計上の不備に修理ミスが重なったのが原因だ。三洋はリコール後の発火を公表しておらず、経済産業省の指導で公表した。リコール前も含め発火事故は7件となった。

 三洋は未修理分も含め、対象となる16万4364台すべてを再点検する。経産省は26日、三洋に改修体制の強化を指導し、購入者に対し、修理を終えるまで対象機種の乾燥機能を使わないよう呼びかけている。

 問題の機種は、ヒーター回路の配線を接続する端子の溶接が不十分なため、乾燥中に接合部分が過熱し、発火する恐れがある。端子のカバーも不燃性の素材ではなく、引火の恐れのあるナイロンを使っていた。三洋は、04年9月にリコール発表後、配線交換の修理を進めていた。

 しかし、05年4月に甲府市の民家で、修理済みの洗濯乾燥機から発火し、女性がのどに軽いやけどを負った。修理の際に、配線の交換の一部を忘れたほか、修理手順通りにナイロンのカバーを外していなかったのが原因だ。発火事故はその後も続き、06年2〜12月にかけて茨城県土浦市、三重県伊勢市、鳥取県米子市で計3件の火災が起きた。

 大阪市内で26日に記者会見した三洋の有馬秀俊・取締役専務執行役員は、「安全に関する考えが甘かった。今後は設計や品質の問題を真摯(しんし)に考えたい」と謝罪した。

 4機種で点検・修理が済んだ製品は87・3%で、再点検のため、ダイレクトメールや電話で再度、購入者に知らせる。問い合わせは(電)0120・34・3226。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070126i112.htm