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2007年01月26日(金) 20時46分

夕張市、18年かけ財政再建 計画素案を発表朝日新聞

 巨額の負債を抱えて財政破綻(はたん)し、財政再建団体になることを決めた北海道夕張市は26日、財政再建計画の素案を発表した。再建期間は18年間で、返済する累積赤字額を約353億円とした。市は、この素案に基づいて2月に菅総務相に財政再建団体の指定を申請。国の支援策などの調整を経て計画を正式決定し、3月に指定を受けて国の管理下で再建を始める。

財政再建計画の素案の効果

 赤字額約353億円の内訳は、観光事業関連が186億円と最大。一般会計などの60億円、病院事業会計の45億円などに比べて突出した。

 素案では、年度ごとの赤字の返済額も定めた。再建開始から10年間は、人件費や公債費などがかさむため、10億〜15億円を返済。11年目は20億円で、その後は毎年返済額を増やし、最終年度は36億円を返済して5億円の黒字決算にするとしている。

 歳出削減の最大の柱は人件費の削減だ。06年4月で309人いた職員を3年間で半減させ、給与水準も平均3割カットし、職員数も給与も全国最低水準にする。これにより、人件費を06年度の約44億円から再建最終年度には約6億円にする。

 歳入面では、市民税・固定資産税の引き上げや、公共施設の使用料値上げで年間1億8000万円の増収を見込んでいる。

 ただ、夕張市では財政破綻後、人口の流出が加速。06年4月から同年末までに400人以上減り、今後も市職員の大量退職に伴い流出は続くとみられる。市税収入の減少につながることも想定され、計画通りに再建が進むかどうか、なお不確定要素は少なくない。

http://www.asahi.com/politics/update/0126/013.html