衛視に守られ参院本会議場を出る角田副議長(中央)=26日午後4時すぎ、国会内で
角田氏は、01年参院選群馬選挙区で民主党公認で3選を果たした。04年に副議長となり、会派離脱して無所属となっている。角田氏は会見で「一議員としての職責はまっとうさせていただきたい」と語り、議員辞職はしない考えを示した。
角田氏は25日まで、副議長職にとどまる意向を繰り返し表明していた。しかし、「政治とカネ」の問題が焦点となる通常国会の本格論戦を前に、民主党内から政府・与党に対する追及の矛先が鈍るとの批判が噴出。このままでは統一地方選や参院選への影響も避けられないとの判断から、党執行部が早期辞任を要求していた。
朝日新聞が入手した帳簿によると、01年5〜8月に角田氏の選挙対策本部に総額2517万円の献金があった。献金者や金額などの記録があるが、角田氏の資金管理団体や後援会などの収支報告書には、いずれも記載がなかった。帳簿には、政治資金規正法で寄付が禁じられている外国人団体にあたる朝鮮総連系の「在日本朝鮮群馬県商工会50万円」との記載もあった。
角田氏は26日の記者会見でも「入金は一銭もない」「私自身は関知していない」と自らの関与を改めて否定した。だが、詳細についての説明はこの日もしなかった。そのうえで、「断腸の思いで決断した。残念無念」と語り、悔しさをにじませた。
角田氏は弁護士で、89年に旧社会党から初当選した。参院民主党議員会長などを歴任した後、04年から参院副議長。問題発覚以前から、改選を迎える今夏の参院選には立候補せず、引退することが決まっていた。
辞任は30日の参院本会議で正式に了承される。後任の副議長も野党第1党の民主党から選ばれるのが慣例。