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2007年01月26日(金) 08時18分

共益費値上げは「不当」 住民が都市再生機構を提訴へ朝日新聞

 独立行政法人・都市再生機構(UR、本社・横浜市)の賃貸マンションに入居する住民が、URが共益費を一方的に値上げしたのは不当だとして、値上げ分の返還を求める民事訴訟を26日、横浜簡裁に起こす。賃貸借契約書には、家賃や共益費は「URが変更できる」との条項があるが、住民側は「条項は一方的で、消費者契約法に違反する」と主張している。

 URの賃貸住宅は全国に約77万戸あり、住民と交わす賃貸借契約書はすべて同様の表現を使っている。国土交通省は「額の増減は双方が協議して決めるのが基本。貸手が一方的に変更できるものではない」としており、訴訟の行方によってはURが全国的な対応を迫られることになりそうだ。

 提訴するのは、横浜市中区の「ビューコート小港」に入居する丸山巌さん(71)ら住民4人。

 訴状などによると、URは06年4月、マンション共用部分の清掃や維持管理などに充てる共益費を、月4800円から5300円に値上げした。「共益費の赤字が年々膨らみ、1000万円を超える赤字になる見通しになった」というのが値上げの理由だった。

 朝日新聞の取材に対し、URは「『共益費の額は、物価の変動や敷地の改良などの理由でUR側が変更できる』と契約書に明記しており、値上げは適正だ」と説明。住民側は「消費者(借り手)の利益を一方的に害する条項を無効とする消費者契約法違反だ」として、同12月までの値上げ分(1人4500円)の返還を求める。また、「共益費の赤字は、URが役員の再就職先になっている関連会社との間で、競争原理が働かない随意契約を漫然と結んだために生じた」と指摘している。

http://www.asahi.com/national/update/0126/TKY200701250401.html