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2007年01月26日(金) 09時40分

「大型店規制条例で損害」 土地売却企業が青森市提訴へ朝日新聞

 大型商業施設の郊外立地を規制するため青森市が全国に先駆けて施行した条例によって損害を被ったとして、同市のみそ醸造会社が25日、市を相手取り、損害賠償請求訴訟を起こす方針を固めた。大型店の出店を規制する動きが各地の自治体で進み、政府も「改正まちづくり3法」で中心商店街の空洞化対策に乗り出したが、その取り組みが早くも試練に立たされた形だ。

 大型店の郊外出店の規制などを盛り込んだ「改正まちづくり3法」は今年11月に全面施行される。青森市は昨年10月に規制条例を施行したこともあって、中心市街地活性化法の地域認定第1号になる見通しだ。

 福島県も青森市と同時期に大型店の出店規制につながる条例を施行したが、出店計画を持っているスーパー最大手のイオン(千葉市)が「憲法違反の疑いがある」との通知書を同県に送るなど、行政による大型店の出店規制が議論になり始めていた。

 青森市を提訴する方針なのはみそ醸造会社かねさ。25日に開かれた青森市都市計画審議会で、市の独自の規制が追認された。このため、仙台市の開発業者がかねさの工場跡地で計画していた床面積計3万2000平方メートルの大型店計画は、規制の対象とならない1万平方メートル以下に縮小せざるを得なくなった。

 この計画変更で開発業者への土地の売却価格が7億円減り、かねさが並行して進めていた工場移転計画を一部凍結せざるをえなくなるなど損害が出るという。かねさは「市は事前の説明が不十分なまま条例を施行した。財産権の侵害にあたる」としている。

 これに対し、青森市は「手続きに瑕疵(かし)はない」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0126/TKY200701250404.html