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2007年01月26日(金) 00時19分

「建築士を信用しすぎた」アパグループ代表が陳謝読売新聞

 富山市の水落(みずおち)光男・1級建築士が設計した京都市内のホテルの耐震強度が偽装されていた問題で、ホテルを運営する「アパ」グループの元谷外志雄(もとや・としお)代表とアパホテルの元谷芙美子社長が25日、東京・赤坂の同グループ東京本社で記者会見し、「水落建築士は最近まで問題ないと私たちにも説明しており、信用しすぎた。お客様や取引先にご迷惑をおかけし、不安を抱かせたことをおわびしたい」と陳謝した。

 同グループによると、水落建築士が手がけた系列ホテルは、京都、東京、大阪などに計8件あり、うち5件は同社の再調査などで安全が確認されたという。

 分譲マンションについては、工事中6物件中3件は安全を確認済みとしているが、すでに完成済みの分譲マンションの物件数などについては公表しなかった。

 国交省によると、水落建築士が97年以降に手がけたアパ物件を含む全国の168件のうち、すでに偽装や設計ミスが確認されたのは今回の2ホテルを含め6件で、問題なしとされたのは19件にとどまっており、今後、残りの143件の調査を急ぐよう建物を管轄する自治体に要請する。

 京都市の調査で、偽装が確認された「アパヴィラホテル京都駅前」は、構造計算過程で出る「NG」というエラーメッセージに、基準を満たしていることを示す「OK」の文字が上書きされていた。

 「アパホテル京都駅堀川通」の構造計算書は、別々の入力データを基にした2種類の構造計算書が組み合わされたもので、同市の担当者がこれらの事実を突きつけて、「偽装と判断せざるを得ない」と追及したところ、水落建築士は「そう思う」と答えたという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070125ic22.htm