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2007年01月26日(金) 23時33分

有名高の合格実績、チラシに虚偽…福岡の塾に排除命令読売新聞

 虚偽の有名高の合格実績をチラシに掲載したのは景品表示法違反(優良誤認)として、公正取引委員会は26日、福岡県で学習塾「エナ・トップエヌ」を経営する「受験Vアカデミー」(福岡市中央区)に、こうした表示をやめるよう排除命令を出した。

 公取委九州事務所によると、学習塾が排除命令を受けるのは全国で初めて。

 九州事務所によると同社は2005年12月5日に配布した新聞の折り込みチラシ約20万枚に、同年の受講生の合格実績として「修猷館・筑紫丘・福岡 トップ校95名」「筑紫・春日・城南・新宮・香住丘・福岡中央・宗像 上位校387名」と記載した。しかし、実際には修猷館など3校に合格したのは43人少ない52人、筑紫など7校に合格したのは220人少ない167人だった。

 同社は「修猷館など3校合格者52人のほか、当社で独自に認定した『トップ校』9校の合格者43人を加えた」と説明。「修猷館など3校はトップ校12校の一部の例として表示しただけ」としている。

 また、筑紫など7校についても、同様に独自に認定した『上位校』15校の合格者220人を加えたという。

 同社は「誤解を招くことになっておわび申し上げます」としたうえで、「別のチラシやホームページでは『修猷館・筑紫丘・福岡などトップ校95名』と表記していたが、作業ミスのために『など』が欠落したチラシを配布してしまった。故意に合格実績を水増ししたわけではない」と説明している。

 同社は福岡県内で12校の学習塾を経営し、中学生の定員は約750人。

 公取委九州事務所は「少子化で学習塾の競争が激しいなか、実態と乖離(かいり)した合格実績を表示するのは大きな違反だ」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070126it15.htm