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2007年01月26日(金) 22時04分

大腸菌回収、本社より10倍緩い基準 不二家泉佐野工場朝日新聞

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)で原材料や製品の不適切な管理が相次いで発覚している問題で、大阪府は26日、同社の泉佐野工場(同府泉佐野市)が、洋生菓子から大腸菌が検出された場合の自主回収基準を、本社より10倍緩く設定していたと発表した。府は「下痢や腹痛など健康被害につながる可能性のある水準」としており、29日にも同工場を立ち入り調査して管理態勢を指導する方針だ。

 同工場の清水武博工場長が26日、府に追加提出した報告書でわかった。大腸菌が検出された場合の回収基準は、本社は1グラムにつき1万個超と定めていたが、同工場では10万個超になっていた。もともと1グラムあたり3000個までしか測定できない方法で検査を続けていたことも判明。清水工場長は「大抵は3000個以内に収まったので、手抜きをしていた。(回収基準が)本社と違う理由はわからない」と話しているという。

 また、同工場は06年2〜8月、消費期限や賞味期限を1日過ぎた卵や生クリームなどを使った洋生菓子約25万3000個を全国に出荷していた。

 府食の安全推進課は「食品検査の意味をなしておらず、大手企業として考えられない」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0126/OSK200701260090.html