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2007年01月25日(木) 23時19分

PC国内出荷4年ぶり減少、ビスタ特需に期待読売新聞

 電子情報技術産業協会(JEITA)が25日に発表した2006年のパソコンの国内出荷台数は、前年比3%減の1233万台で、4年ぶりにマイナスとなった。

 パソコンメーカーは、今月30日発売のマイクロソフトの新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を搭載したパソコンの投入で巻き返しを狙っている。ただ、マイクロソフトは25日、現行OS「ウィンドウズXP」のサポート期限を5年延長して約7年後にすると発表した。これがビスタへの買い替え需要を冷やすとの見方も出ている。

 JEITAによると、06年のパソコン出荷台数は4月以降伸び悩み、10〜12月は前年比10%減の259万台と、年末商戦は不発だった。特に個人向けは同20%以上減少したと見られている。単価も下がり、06年の出荷金額は同8%減の1兆5095億円と台数より減少率が大きかった。JEITAは「ビスタの発売を見越した買い控えだけでなく、薄型テレビや海外旅行など個人の消費が多様化したのが原因」(山本正己パーソナルコンピュータ事業委員会委員長)と分析する。

 パソコンメーカー各社は、「XP」に次ぐ約5年ぶりの新OS・ビスタの発売を「市場の起爆剤に」と期待している。東芝は次世代DVD「HD DVD」に映像を書き込める製品を投入する。富士通やソニーは、家庭のリビングに置くタイプの製品を発表した。

 ビスタはXPより映像の編集機能がアップしているため、メーカーはデジタル放送の録画・受信機能を強化するなど家電への対抗姿勢を打ち出している。

 ただ、業界では「ビスタの立ち上がりはゆっくり進む。初期のトラブルが一巡するまで急激には伸びないだろう」(坂本幸雄・エルピーダメモリ社長)との見方が多い。マイクロソフトは25日、XPの家庭向け製品のサポート期限を当初予定より5年延長し、14年4月までにすると発表した。

 同社は「安全性を重視する姿勢はビスタの販売にも良い影響を与える」(ジェイ・ジェイミソン本部長)としている。しかし「XP搭載パソコンが価格で有利だ。ビスタにとって多少逆風になるだろう」(調査会社BCN)との見方もあり、買い替えのペースが鈍る可能性もありそうだ。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070125i416.htm