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2007年01月25日(木) 03時16分

岡山協立病院の病気腎摘出、他病院医療ミスの後始末読売新聞

 宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師(66)らによる病気腎移植問題で、2001年2月、岡山協立病院(岡山市)で弟の万波廉介医師(60)が60歳代の男性から腎臓を摘出したのは、別の病院で手術の際に尿管を傷つけた医療過誤が原因だったことがわかった。

 男性は納得して摘出手術を受けたというが、結果的にミスの後始末として摘出が行われたことになり、厚生労働省の調査班でも問題視する意見が出ている。

 関係者によると、男性は2000年12月、北川病院(岡山県和気町)で直腸がんのため、内視鏡を用いた手術を受けたが、医師が誤って尿管を損傷。尿管が壊死(えし)して、腎臓に尿がたまる水腎症に陥った。

 このため北川病院側が、岡山協立病院の泌尿器科部長だった廉介医師に対処を依頼。廉介医師は根本処置として〈1〉腎臓を修復して元に戻す自家腎移植〈2〉小腸と尿管をつなぐ手術〈3〉腎臓の摘出——の三つの方法を提案したところ、男性は腎臓摘出を選び、翌年2月に手術が行われた。医療費は北川病院が負担したという。

 摘出された腎臓は、万波誠医師が当時勤めていた市立宇和島病院(宇和島市)に運ばれ、高知県内の患者に移植された。

 北川病院は、この件について読売新聞の取材申し入れに応じていない。廉介医師は、「男性は腎臓が移植に使われることに同意していた」と説明している。北川病院では、ほかに昨年8月、廉介医師が50歳代の女性から摘出した動脈瘤(りゅう)の腎臓が、宇和島徳洲会病院で移植手術に用いられている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070125ic01.htm