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2007年01月25日(木) 13時11分

稚内母親殺害事件で長男ら保護処分、逆送認めず朝日新聞

 北海道稚内市の病院パート職員の女性(46)が昨年8月に刺殺された事件で、母親の殺害を依頼したとされ、殺人の非行事実で旭川家裁に送致された長男(16)と、殺害を実行したとされる友人(16)に対する少年審判が25日、旭川家裁で非公開で行われた。笠井之彦裁判長は長男について「報酬を提示して殺害を実行させた責任は極めて重い」などとしたものの、長男の家庭事情などに配慮して2人を「保護処分が相当」とし、中等少年院送致を決めた。

 成人同様の手続きで刑事責任を問われる「検察官送致(逆送)」とはならなかった。少年院の期間は2人とも「おおむね4年」としている。

 決定は、長男については「両親が少年に十分な説明をせず、その心情に配慮することもなく離婚したことに対し、深い孤独感に悩まされるような事情があった」と配慮を示した。

 実行役の友人については、長男から「殺し屋組織から仕事の依頼があった」と言われ続けたことへの漠然とした不安や報酬への魅力、いずれ依頼が撤回されるだろうという安易な考えで話を合わせているうちに実行に至ったとする経緯が明かされた。

 送致事実によると、長男は昨年8月27日、母親の入浴中に携帯電話で友人を自宅に呼び出して包丁を渡し、当時15歳だった友人が母親を刺し殺したとされる。検察側は「刑事処分が相当」とし、検察官送致を求めていた。

http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY200701250152.html