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2007年01月25日(木) 21時35分

ゆうパック「翌日配達」は不当表示 公取委が排除命令朝日新聞

 日本郵政公社の小包サービス「ゆうパック」が「翌日配達」をチラシなどでうたっているのに、実際には一部の地域にしか翌日に届かないのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、公正取引委員会は25日、同公社にこうした表示をやめるよう排除命令を出した。民営化を控えた同公社が、宅配業者との競合が激しいサービス分野で顧客獲得を迫られたことが背景にあるとみられる。同公社への不当表示での排除命令は初めて。

 調べでは、郵政公社は05年秋から06年春にかけて、北海道内の郵便局やコンビニエンスストアで配った「北海道版」とするチラシで、「ゆうパックは翌日配達」「人口カバー率84.5%」「広いエリアへ翌日配達」などと広告。しかし、84.5%は全国平均で、北海道から出した場合は実際には8%程度の相手にしか翌日に届かなかった。

 公社は実際に配達できる比率も把握し、「地域や天候などで配達できない場合もある」といった注釈をつけたが、公取委は不十分と判断した。

 公社はほぼ同じ内容のチラシを全国で配っており、翌日配達できる比率は沖縄県では1%程度、大分、宮崎、鹿児島の各県でも半数以下だったという。公取委は「北海道分で排除命令を出せば、全国で是正の効果はある」として命令対象に含めなかった。

 公社の本保芳明専務執行役員は「『北海道版』の中に全国の数字を載せたのは明らかにミスだった」と陳謝した。公社は既にチラシの回収を始めており、北海道、南九州、沖縄では、翌日に配達できる地域を地図で示すポスターを郵便局などに張り出すという。

 景品表示法は企業だけでなく、事業をしていれば公的機関も対象になる。

http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY200701250334.html