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2007年01月25日(木) 00時00分

ペコちゃんも食傷!? 不二家、甘〜い見通しZAKZAK

 「いつ洋菓子の販売が再開できるかなどによるが、大幅な赤字になる」−。桜井新社長は24日の記者会見でこう話し、近く業績を下方修正する方針を明らかにした。平成19年3月期決算は当初、8億円の黒字と予想していたが、一転して2年連続の赤字となる。

 それでも経営の立て直しについて、桜井新社長は「自主再建できれば一番いい」と改めて表明した上で、りそな銀行に資金面や役員派遣など人材面での援助を要請したことを明らかにした。

 また、他社との提携については「資金力などを精査したうえで今後の課題とする」とするにとどまった。

 自主再建にこだわる不二家は、23日に行った森永製菓の森永剛太会長との電話会談でも、「自主再建を目指す」として、森永の支援は現時点では不要と伝えている。

 つまり、取引銀行の支援により、不二家をなんとか復活させたいという意向のようなのだ。しかし現実に目を向けると、この対応がいかに甘いかが浮き彫りになる。

 洋菓子の販売再開については、藤井林太郎前社長は2月上旬としていたが、桜井新社長は、有識者からなる「『外部から不二家を変える』改革委員会」の了解を得てから再開するという意向を表明しており、具体的なメドはたっていない。

 一般菓子も、スーパーなど小売店から次々と撤去されており、こちらも販売再開には時間がかかりそうだ。フランチャイズ店への補償金も週1億円といわれ、資金面も厳しさを増している。

 何より問題なのは、子供らが口に入れるものをつくるメーカーとして、不二家が信用を回復するどころか、日増しに信用を失墜させていっていることだ。

 24日も、大阪・泉佐野工場で、シュークリームやケーキなどで細菌数を確認しなかったり、賞味期限や消費期限が切れた原材料を使っていたことが新たに34件発覚するなど、ずさんな品質管理が日々発覚し、収束の気配がない。

 食品メーカーにとってもっとも大切なことは、きちんとした品質管理を行い、消費者の信頼を得ることだ。なのに不二家は、品質管理に定評のある森永からの協力提案に関心を示さず、銀行からの支援で乗り切ろうとしているフシがある。

 食品メーカーの基本に立ち返れるかが、不二家の“運命”を左右しそうだ。 

ZAKZAK 2007/01/25

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007012531.html