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2007年01月24日(水) 15時22分

小西被告に懲役6年判決 「同和行政を食い物」 大阪朝日新聞

 大阪市の財団法人「飛鳥会」元理事長で、業務上横領と詐欺の両罪に問われた小西邦彦被告(73)の判決が24日、大阪地裁であった。杉田宗久裁判長は「同和団体幹部の地位を私利私欲のために悪用し、大阪市の弱腰の同和行政を食い物にした極めて悪質な犯行だ」と述べ、懲役6年(求刑懲役8年)の実刑判決を言い渡した。また、大阪市に対しては「市側の監督体制の甘さが事件の温床になった」と指摘した。小西被告側は控訴する方針。

 判決によると、小西被告は同会理事長で、部落解放同盟飛鳥支部長だった03年4月〜05年3月、同会が市側から約30年にわたって運営を委託されていた西中島駐車場(同市淀川区)の売上金から計1億3120万円を着服。03年9月、市立飛鳥人権文化センター元館長(60)=詐欺罪で懲役1年6カ月執行猶予3年の有罪確定=と共謀し、知人の元暴力団組長らの健康保険証7枚を社会保険事務所から詐取した。

 杉田裁判長は、小西被告が同会の理事会を開かずに意思決定するなど同会を私物化し、同会事務所に常駐させた大手都市銀行員に預金口座を管理させたと指摘。「部落解放同盟支部長としての地位を背景に、旧同和地区外だった市有地を駐車場として利用させるよう市に執拗(しつよう)に要求した」と認めた。

 事件の背景については「大阪市の監督体制の甘さがその温床となったが、被告はそれを逆手にとり、弱腰の同和行政を食い物にした」と述べた。

http://www.asahi.com/national/update/0124/OSK200701240036.html